食道癌

9月26日の朝は霜がうっすらと降りていて、すごい上天気。例のごとく週末はメーンに来ているので、1日中きらきらと輝く海をみて時間を過ごした。 普段は「5年生存」とか、転移とかには全く関心がないのに、ここ10日ぐらいは「そろそろ26日だな〜、摘…

今週末もメーンにやって来た。9月のメーンには特別な思い入れがある。 3年前の9月26日が食道摘出手術だった。その年は夫がサバティカルだったし、私も当然仕事をしていなかったのでメーンの小屋で時間を過ごすことが多かった。だから紅葉が始まった木々…

先日はとても爽やかな晴天だったので近所の山(というより丘なんだけど、スキーリフトもあるので『山』なのだろう)に登った。一緒に登った3人の女性の1人は最近ご主人を亡くした71歳の方(60歳にしか見えない)で、私は初対面。とても話がはずみ、子供の…

山歩き 子供が小さい頃は毎年アルカディア国立公園にキャンプに行っていた。小高い山が海辺まで迫るこの公園には100以上のハイキングルートがある。1週間から10日のキャンプ中、毎日ハイキングブックに乗っているルートをひとつ選んで家族で昇る。昇っ…

検診の頻度は1年に1、2度なのだが、腫瘍内科医、外科医、主治医、放射線科がそれぞれ診てくれているので検診が多い。今日の検診は私の治療方針を決め、食道摘出をしてくれた外科医との検診。わざわざボストンまで出て行かなければならないのでメジャーな…

5月29から31日の週末、夫とフィラデルフィアまでフィラデルフィア美術館の特別展とバーンズコレクションをみるために出かけました。展覧会もコレクションもとても素晴らしかったのだけど、食道摘出したものとして嬉しかったのは食べる量が確実に増えて…

5月23、24日は友人で癌サバイバーのJと一緒に時間を過ごした。Jは卵巣癌。同じ頃に外科手術を受け、回復期には一緒に歩いたりした。Jは私が始めて米国に着た年に大学院寮の隣部屋だったという仲である。 昔から活発で勉強好きだった彼女。2年近く前か…

内視鏡検査をしたのが2006年の5月11日、生体の結果「癌です」と告知されたのが5月16日、腫瘍内科医と治療方針を話し始めたのが5月18日。ケモラジ→摘出の順番での治療だったので、治療を始めてから3年間生存したことになる。時々食べ物を喉につまらすこと…

医者から電話。先日の血液検査でカルシウムとビタミンDの異常なまでの不足が発覚したので、ビタミンDの処方薬を出すとのこと。去年も警告を受け、キャラメルみたいなカルシウムとビタミン剤を摂っていたのだが、ここのところ摂取をすっかり忘れていた。食道…

シアトル1泊、東京1泊、名古屋3泊、鹿児島3泊、東京1泊のスケジュールで昨日帰宅。今回はいつも翌朝を心配しなければならないスケージュールだったせいか、結局時差ぼけが抜けることがなく一番良く寝たのは眠剤を使った帰りのフライトと言う慌ただしい…

今日は自分の筋力、体力の衰えにショックを受けた。 ジムの無料お試し券をもらったので、友達3人と共にトレイナーについて様々なエクササイズマシーンのウェイト量を設定してもらった。社会復帰を果たし、色々なところに旅行し、自分ではすっかり元に戻って…

1年に1度の放射線医の検診。術後2年半、ケモラジ治療の開始から数えると2年10か月目 体重、体温、血圧をはかり、摘出手術の傷跡、リンパ腺の触診。「傷跡もきれいに癒えてるね。じゃあまた来年!」(なんだかちょっと簡単過ぎる) 私の放射線治療は50…

ここ数日お腹が空いてたまらない。量的にもかなり食べているのに、頻度も高い。 術後2年半経ったからだろうか?暖かくなって来たからだろうか?仕事が忙しくないからだろうか。 つい2週間前まで「また狭窄になったかな」と思っていたし、出張で減ってしま…

先週は日曜から金曜まで米国中西部と東部を旅しながらの通訳業務。日本からいらした方が風邪を引いてらっしゃって途中で「あ、熱が」「洟が」なんて場面はあったもののつつがなくこなすことができた。摘出手術からの回復は個人差がある。私の場合は術後2年…

先日End of Lifeの記事をこのブログのために邦訳した。そこに出て来たのがメラノーマ。一応翻訳のためにグーグルでリサーチ。実はおよそ2ヶ月前、手のひらに小さな痣がぽつっと出来ていた。 私は日本人、色黒、つまりメラノーマの危険は殆どないと思ってはい…

一昨年の夏、私と同じ食道がん患者の女性(ステージIV)が亡くなった。腫瘍内科医も外科医も同じだったので私のブログの英語版を読みながら「うんうん私の髪の毛も抜けて来た」なんて言いながら闘病していた人である。しかし抗がん剤、放射線治療の途中で転…

前回「告知について」のエントリーを書いて、たけしさん、akkoさんからとても思慮深いコメントを頂いた。それを読みながら、告知と言っても様々に場面が違っていて私やakkoさんの言及するものとたけしさん他、ケン三郎先生の所に書き込まれているものとは違…

ここにもよく書き込みを頂いているケン三郎先生のサイトで患者に告知するか、しないかが大きな論争になっている。 「余命幾ばくの状態になったら絶対に何があっても言ってほしい」と20代の頃から思っていた私には「告知されるのが怖い」とか「絶対に言って…

2006年の5月に食道癌の診断を受けてから、今日で3度目の新年を迎える。2007年の新年には「がん患者のチャプター」を閉じる意思表明をし、2008年の新年は(最後)拡張手術の翌日だった。2009年の今日はオハイオ大学院時代の友人で2006年に卵巣癌で私と同時期…

今日は半年ぶりの検診。癌治療を始めてから2年8ヶ月。術後2年2ヶ月目。まずは上半身、恥骨までふくむCTスキャン。これまでは造影剤の注入だけだったのだけれど今回はバリウムを飲まされた。食道を摘出した人は(というか、私の場合は)水分を沢山とれな…

2006年の5月に食道癌に診断を受けて以来ずっとこのブログを付けて来た。進行がんで2期と3期の間だったので、ケモラジの後食道摘出手術を受けた。食道をとってしまうと嚥下ができなくなるので、その後の食生活がかなり大変だった。何が正常で、何が異常な…

食道癌患者でTropic of Cancerというタイトルのブログを付けていらしたみゅうさんが亡くなった。癌が発見された時の病期がIV期。最初のケモラジ治療後に再発があり患部を内視鏡手術により摘出、次の再再発に対しては食道摘出で対応なさったけれど、頸部へ転…

友人と共に養老院に入院中の「元女優/シンガー」に会いに行く。お土産には最近描いた「燃える紅葉」の絵を持参。年齢的には80歳前なのだが、1年ぐらい前まではコンサートを開いたりして活発な活動をしていた。ところが昨冬転んで足の骨を折ってからは一…

5時起き。6時前にメーンを出て帰路につく。車の中でスナックバー(チョコレートでカバー)を食べたらひどいダンピング。夫は帰宅した足で仕事だから運転してあげようと思っていたのに3時間半、ボーッとウツラウツラして時間を過ごす。情けない。 ジョン・…

この秋はずっと忙しかった。食道摘出をしていると頭を高くして寝なければならないのだがホテルによっては枕の数が足りなかったりする。それでクッションなんかをつかうと今度は不自然に頭が高くなる。それに通訳をする時は左側を向いてパワーポイントのスラ…

今週のスケジュールは健康な人でもかなりへこたれるものだった筈だけど、結構なスタミナでこなした。私の食べる量は本当に人の半分以下なのだけれど、きっと身体が効率良く栄養を回しているに違いない。あるいは、私の食べる量が正当で、周りのアメリカ人が…

仕事は午後の短い時間だったので、夏にご主人を亡くした方(74歳)と夕飯をともにする。最初はレストランに行こうという話だったのだけれど彼女がチキンと野菜のスープを作ってくれたので私は小さなバゲッドとデザートをお土産にする。スープにバルサミック…

お豆腐が残っていたので鶏のミンチで水炊き。食道がない人には「しらたき」が危険だとどこかで読んだのだが気をつけて食べる。だけどやっぱり駄目。ゲホゲホはいてしまって、すっかり憔悴してベッドへ。自分の身体をもう少し学習して無理な物は避けるように…

仕事で和食レストランで外食だった夫が、「君は一人でいると殆ど食べないから」とテイクアウトのお寿司を買って来てくれた。トロとうなぎの握りと、トロ、サーモン、飛び子、貝割れ菜を大根の桂剥きで巻いたもの。この大根巻きのお刺身があっさりしてとって…

ケン三郎先生の11月2日付けのブログに「術後再発したらどれぐらい生きられるか」というエントリーがあった。この数字は私が術後に言われた生存率60%と全く同じだ。自分がいかに幸運であるか、そして食道癌がいかに怖いものであるかを再認識する。