この秋はずっと忙しかった。食道摘出をしていると頭を高くして寝なければならないのだがホテルによっては枕の数が足りなかったりする。それでクッションなんかをつかうと今度は不自然に頭が高くなる。それに通訳をする時は左側を向いてパワーポイントのスライドを見ながら通訳することが多く、首や肩がひどくこってくる。10月にアイルランドに出張した頃から喉元の筋肉がかたまって動かなくなったり、腕や肩が痛くて仕方がなくなった。先々週の土曜日にはマッサージに行ってどうにか生き延びた。



今日は理学療法で筋原繊維(筋細胞の収縮する細長い成分)をほぐしてく元に戻してくれるセラピーに行く。最初は身体がめちゃくちゃに歪んでいた(左肩が上がり、左骨盤がぐいっと前に出ている)のだが、90分後にはまっすぐになり、身体がグーンと軽くなった。食道摘出をして胃で食道を代用しているためにどうしても喉元の筋肉が下の方にひっぱられる。それが今回の強行スケジュールで特に促進されたようだ。喉元や胸元の筋原繊維を自分でほぐす方法を教えてもらった。こういう治療って日本では整体になるのだろうか?



手術をしてから2年以上たつのだが、表面にでないけれど食道摘出をした人は皆「古傷」を抱えているわけで、時々はこういう治療が必要だ。