今週末もメーンにやって来た。9月のメーンには特別な思い入れがある。


3年前の9月26日が食道摘出手術だった。その年は夫がサバティカルだったし、私も当然仕事をしていなかったのでメーンの小屋で時間を過ごすことが多かった。だから紅葉が始まった木々を見ても、海辺を飛び交うカモメを見ても、岩場を歩いても、3年前の静寂の時間が思い出されて仕方がない。 渡り鳥が太陽の位置で移動の時間を知るように、多分一生9月になるとあの不思議な時間を思い出すことになるのだろう。


摘出手術の前の放射線+化学治療の集中治療が終わったのが8月の初旬。そのせいで食道炎になり9月初旬まではアイスクリームさえ食べられなかった。中旬になって匂いや食欲が戻って来たけれど9月26日には手術。「術後にはちゃんと食べられなくなる」と、およそ10日間(夫に言わせると)「馬のように」美味しいものを食べたものだ。


現在術後3年。食生活はかなり変わってしまったけれど、仕事も遊びも旅行も前と同じ貪欲なペースに戻った。否、仕事であれ、遊びであれ、前よりずっと熱心に取り組んでいると思うし、反面切り捨てる部分も増えた。


ここにも書いたけれど、ちょうど一週間前にWalk to Cure Cancerというファンドレージングに参加して5マイル(8キロ)を歩いた。私と同時期に罹った食道癌のせいで夫をなくしたAさんと一緒に歩き、ファンドレージングの献金は彼の思い出に捧げた。


その献金書類に「In honor of~」というセクションがあった。私の回りで癌に罹った人、お世話になった医者、看護婦、このブログで知り合った方々(亡くなってしまった方、一生懸命に行きている方、ご主人や親ごさんを懸命に世話している方)、皆の名前を書きたかったけれど、あまりにも沢山の名前があったので「those who were touched by cancer」とだけ書いた。できればこれから毎年参加したいと思っている。

下は昨日歩いたメーンのオーディボン保護区域の写真。


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現在はkuwachann-2_0、id:kuwachann-2_0の日記にノー天気な記録を付けていますが、検診のような大きなイベントがあった時はこのブログもアップデートしています。。

もし万が一(読者がいると想定して)食道癌のことで質問がおありでしたらいつでもコメント、あるいはプロフィール欄のメールでご連絡ください