ここのところお天気が悪い。冷たい雨か霧の毎日で私の気分も大分影響されている。なかなか前進しない食べる練習、どんどんひどくなる咳。金曜日の通訳もどうにかこなし、客観的にはどんどんよくなっているらしいのだが(日曜に招かれた夕食の席ですごく元気になったと言われた)私の心の中では停滞状態でイライラしている。経腸チューブと更年期障害のせいで夜頻繁に目が覚めて眠れない。そのたんびに涙が出て止まらなくなる。


あと10日すると夫がオーストラリアに行ってしまう。自分では意識していなかったけれど、看護人がいなくなることに対して不安を抱いているらしい。


まだ運転ができない。買い物はどうすればいいのだろう。だれが掃除をするのだろう。お洗濯も私1人でやるのだろうか。スタミナがすっかりなくなってとても1人でこなせそうにない。


実は第一回目の定期検査が12月4日、夫が出てしまってからやってくる。その日は息子に運転を頼まなければならない。もし何か問題があったらどうすればいいのだろう。狭窄になっていて食道を拡張しなければならないとしたら、だれに運転をお願いすればいいのだろう。BWHは家から80キロ離れている。御友達は「いつでも行ってあげるから」と言ってくれるけど、年の瀬に御足労を願うのは気が引ける。


米国のCancer Societyのウェブなどをサーチしてみると、癌治療の終わった後、鬱状態になったり不安を感じたりするのはごく普通のことらしいのだが、私の場合は夫が間もなくいなくなることで拍車がかかっているようだ。


いざ彼が出発してしまえば、私のことだから友達を招集して頼み事をするだろうし、自宅から仕事に通っている長男に週末の買い物や掃除を頼むに違いない。それに回復度を高めるためにはある程度のプッシュが必要かもしれない。


プッシュと言えば、昨日腫瘍内科医から電話があり経腸チューブを2、3日止めてみるように言われた(最近は1缶とちょっと毎晩入れていた。)先日行われたバリウム飲み込みテストで、新しい食道の機能が正常範囲内と判断されたのである。もう半年もチューブをいれているし、チューブの入っている小腸部分に痛みもあるので、できるだけ早く取ってしまった方がいいらしい。夕べ久しぶりにチューブを使わずに寝てみたけれど、体温があまり高くならず、比較的快適な夜だった。


電話の終わりに「あんまりヘルシーに食べないでね」と彼から釘をさされたので「分った、ドーナッツを食べるよ」と答えた? 小さい時から「おかずだけ食べる」タイプで大人になってからもタンパク質、野菜中心の食事だった。おかげで殆ど中年太りもしなかったのだが、今は体重維持が一番大切。糖分や炭水化物を増やした方がいいらしい。夫に頼んでチーズケーキや雪見大福を買って来てもらった。体重維持ができるといいのだが。


結局、私の感じている不快感は食道全摘、胃の食道代行による、ごく普通のものであったのだ。経腸チューブを止めてしまうというのは、ちょっと暴力的かもしれないけれど不安で逡巡している今の私にとって回復速度を高めるために必要な外圧かもしれない。


夫が国外に長期出て行ってしまうことも、今はメソメソしているけれど最終的には「いい外圧」になってくれるだろうと思う。


今日のブログはまたもや英語版と日本語版がかなり違う。1つには同じことを2度書く辛抱強さがないからなのだが、もう1つの理由は夫にこれを読まれたくないからである。今でも私を残すことに逡巡している彼のことだ。このブログを読んだら即「学会、研究の取り止め」をすることが目にみえている。