体重が減っているので朝カロリーメートのような『エネルギーバー』と呼ばれるものを食べた。とたんに腹痛、吐き気。またもやダンピングである。お昼の替わり、おやつにずっと食べて来ていて、これまでダンピングなんか起こさなかった食べ物なのに。やっぱり疲れてるのかなぁ。結局午前中はベッドで寝て時間をすごすことになってしまった。たぶんここ暫くは仕事やスケジュールがきつくなると、2、3週間に一度はダラダラしなければならないのだろう。


そういえば、先日の仕事が終わった時に、お客さんから「よく、それだけ集中が続きますね」と言われた。エンジニア間のさっぱり訳のわからない会話(それも略語、アクロニムだらけ)を8時間ぶっ続けで訳していく。これまでずっとやってきたことなので別に集中しているという意識はなかったけれど、やっぱり頭や身体への負荷は高い仕事なのかもしれない。


夜は知人のコンサートに行った。彼女は今70歳代。理由を聞いていないのだが事故か病気のせいで今はウォーカーを使わないと歩けない。引退する前はニューヨークでアクトレス(女優)だったので、今夜は「ベルリンからボロードウェイへ」と題したKurt Weill(クルト・ヴァイル)の唄のコンサート(昔取った杵柄だ)。ライザミネリのキャバレーみたいな音楽の数々を、ピアニストとの掛け合いで唄う、謳う、詠う。旋律ではなく言葉やストーリーを聴かすものだった。彼女の唄を聴くうちに煙草の煙やシャンペングラス、丈の長い黒い手袋が見えてくるような気がした。


Kurt Weillをウェブでリサーチしてみたら『三文オペラ』の作曲者だった。そう言えば20年以上前に亡くなった私の祖父は若い頃浅草三文オペラに凝っていた。鹿児島から東大に行った人で将来を期待されていたらしいが、本人は大正から昭和初期の東京の「ハイカラ文化」にただただ浸りきっていたらしい。孫の私に繰り返し語るのはオペラの素晴らしさとドイツに留学できなかった遺恨だった。そうか、彼もこういう唄を聴いていたのだ。