11月1日


昨日はハローウィンだった。ハローウィンを「まあまあ順調な状態」で迎えることができることがとても嬉しかった。ここ数年ジャックオランタンをつくることもなかったのだが、この季節の移り変わりを正面から受け止めたくてパンプキンと格闘した。本来なら大きなパンプキンをつかうのだが、退院の日に近所の友達がこっそりとガレージの前に置いてくれた小ぶりのパンプキンを彫った。


鹿児島の父がお正月のお祝いの飾りをそれはそれは丁寧に行う。毎年年の瀬に里帰りするのだが、脚立に乗ってしめ縄をはったり神棚を掃除するのは私の仕事になっている。私達子供達はそれを「ホントに好きなんだから」と、ちょっと迷惑がっていたけれど、今何となく節目を大切にする父の気持が分る気がする。今年も去年と同じことができることが嬉しいのだ。


さて、離乳食まがいを食べ出してから丸2週間が過ぎ、食べること、寝ること、歩くことだけで毎日が過ぎて行く。今経腸チューブの缶フーズを2缶まで減らしているのだが、今日栄養士さんにメールを出して1.5缶にまで減らせるかどうかを問い合わせ中である。本当に微量なのだけけれども確実に食べる量は日ごとに増えている。昨日あたりからヨーグルト1パックを一回で食べられるようになった。


もともと食いしん坊だったのだが、夏の抗がん剤治療以降食べたいのに食べられない状態が続いているからだろうか。駄目だと言われるとますます食べたくなるからか、ウェブでレシピを探したり、テレビのクッキング番組を見るのがルーチンになりつつある。そして食べられそう、食べたいと思うと「回復期の病人」であることを忘れて台所に立っている(もちろん凝ったものはまだ無理だけど)。これまで作ったものは、豚汁、ほうれん草入りキッシュ、マアボウ豆腐、フィッシュスープなどなど。1/2カップぐらいしか食べられないのだが、ノロノロと時間をかけて調理する。それなりの達成感がある。少なくとも調理することで夫の食生活が健全なものになるのは嬉しいことだし、調理している間は痛みもあまり感じない。


半年の間に、抗がん剤放射線、手術と身体がトラウマを経験し更年期障害がひどくなったのだろうか、経腸チューブのせいで新陳代謝が活性化するからだろうか、麻薬がベースになっている強力な痛み止めを使っているからだろうか。夜身体が火照って眠れない。3日前に思い切って鎮痛剤を普通のものに変えた。少なくとも朝方の嫌な倦怠感は消えたし、夜も一晩中殆ど眠れないという状態からは脱出できたけれど、痛みは前よりひどくなった。でも普通の痛み止めで押さえられるぐらいに痛みが減ったわけで、1週間もすればなれるのではないかと楽観視している。


痛みが増した状態で歩くのは辛いのだが、足腰の筋力は徐々に回復している。ここ数日間は毎日1.6キロ(1マイル)歩いている。寒くなったので、万歩計を付けて距離を確認しながら(前日の日記の写真)ショッピングモールを頻繁に歩く。何でも道具に凝る夫がLLビーンで見付けてきたのだが、主婦的に「無駄!贅沢!返す!」とおよそ一週間ほど頑固に主張して箱を開けなかった。しかしウォールマートで購入したものは性能が今一の上、トイレに落っことしてしまった。最終的に「LLビーンの品物は使った後でも返品できるから」と夫にそそのかされて使ってみると、かなり精巧だし普段は時計の役割をしてくれる優れものなので、「今後の健康のため」のツールとしてキープすることにした。