日本での食道癌のブログのサイトを見ると「アメリカではケモラジ治療が手術より多い云々」と書いてあるところが多いのだが、不思議で仕方がない。私がざっとグーグルしたところではそんなことを伝えている米国サイトは発見できない。いったいどこからの情報なのだろう?出典が書いていないから分らない。私の知るところでは、ちゃんとした権威のあるサイトでは患者の健康が損なわれていない限り「手術」、『手術とケモラジをあわせた治療」が第一治療法で薦められている。


さらに、多分米国でも医学の先端研究が行われている当地の医者たちも皆『手術ありき』のアプローチだった。腫瘍内科という抗がん剤治療専門家がいてもそうなのだ。また米国の食道癌患者には腺癌が多い。腺癌は扁平上皮癌と違って放射線に対する反応が良くない。


専門家じゃないし、ざ〜っと見ただけだから間違っているかもしれないけれど、「5年生存率を比較するとケモラジも手術も同じぐらいだから、どちらかを選ばせる」というのは日本に特有のアプローチのように思える。扁平上皮癌の患者は日本の方がずっと多いから多分日本の方がすすんでいるのかもしれない。いずれにせよ「アメリカではケモラジ治療の方が手術より多い」と言うのは情報の一人歩きのように思える(発見される病期が遅くて手術ができずケモラジだけでQOLを高めるというケースは多いかもしれないけれど)