(English version is on 02/01.)


先週の金曜日、ヒューストンの顧客から電話があった。2月の第2週の月曜から金曜まで西海岸で仕事をしてくれという問い合わせである。「すみません、まだ1週間丸々の仕事はできません」と断る代わりに、「週末考えさせてください」と言ってしまった。


先週は2日間仕事をしたのに、調子がよかった。仕事のない日は絵を描いてみたり、お風呂場の掃除をしたりした。西海岸まではフライトが5時間だけど、できるかもしれないと本気で思ったのだ。


ところが、身体はよくしたもの。日曜と月曜、ひどいダンピング症候群に見舞われた。お腹が不快に痛くて(妙な表現だけど、激痛というわけではないのだ)、どんな姿勢をとっても楽にならない。結局は、胎児のように丸くなってベッドに横になって、うとうととして過ごした。私の場合、ダンピング症候群は早食いや食べ過ぎの症候というよりは、身体側の警告のような気配がある。


当然仕事はお断り。代わりに当地の通訳友達を紹介することにした。まず彼女のスケジュールを確かめてからと思い、携帯に電話する。彼女はワシントンDCの空港にいた。その日のボストンでの仕事を終えた後、翌日の仕事のために飛んだところだった。


そうだった!私も去年まではこんな強行スケジュールで仕事をしたことが時々あった!あのタフさを取り返す事ができるのだろうか。。。


火曜日(30日)は3度目の拡張手術だった。術前の問診をした看護婦が「本当に9月の末の手術だったの。全然元気じゃない!仕事もぼちぼちしてるの?すごいわね〜」と褒めてくれた。それどころか「そのグレイ(白髪)すてきね。まるでわざとハイライトをいれてるみたいだわ」とまで言ってくれた。


回復期の患者としては優等生。だけど、ばりばり仕事をしている大人から見るとまるでよちよち歩きの幼児。これから暫くはこの2つのスタンダードのギャップで苦しむことになるのだろう。そして「健康な人とは違うんだから理解してほしい」気持と「特別扱いしてほしくない」気持の間で揺れる事だろう。都合の良い時だけ大人扱いしてほしいティーンエージャーと似たようなものだ。


もちろん(という言葉を使えることは非常に幸運なことだ)手術はスムーズだった。唯一の問題は点滴を入れるための血管探しが大変だったこと。月曜日もダンピングだったので脱水症状に陥っていたらしく、針をさすと血管が壊れてしまう。3度目の正直でやっと入った。


医者の話によると今回は拡張の必要はあまりなかったそうで、18ミリまでの拡張。昔の食道は肋骨の中を真っ直ぐおりていたのに胃で作った食道は肋骨の外を走っている。新しい食道は喉元でつながれているのだが、そこに傾斜ができることになる。だからある程度食べ物がひっかかるのは仕方がないことらしいのだ。どこまでが傾斜の問題で、どこからが狭窄の問題なのか、私には未だに判断ができない。


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ZIP-FMのインタビューはあっという間に終わりました。「腫瘍内科医」を推奨したかったので、その部分はちょっと浮いちゃったかもしれません。でもFM局側がウェブサイトでこのブログにリンクして下さったので、1人でも、その言葉に心を留め、このブログを覗いてくださる方がいれば、とっても幸せです。