私って何て単純なんだろう。

月曜日にチューブを抜いて火曜日はマッサージに行った。何だか身体がすっかり軽くなってエネルギーレベルも高くなってルンルンしている時に通訳のエージェントから電話が入った。翌日水曜日4時間ほどの仕事の要請である。日米の会社間のジョイントベンチャーの交渉の第一回目で基本的には8時半から1時頃まで。でも最後の1時間はランチ。工場見学も入っているという。


「済みません、病み上がりなので2時間に1度は10分の休みを入れていただけますか。工場見学で歩きながら喋ると咳が止まらなくなりますので、それはできませんが。。。」


何しろ翌日の仕事だから通訳の方が強い。半日の仕事だが我が儘な条件を全部飲んでもらって引き受けた。


さて、夕方6時頃になって、どんどん資料が送られて来る。ジョイントベンチャーの交渉は何度もやったことがあるけれど、あまり知らない業界の仕事なので結構専門用語がある。「あちゃ〜、そうだった。前日の予習って大変なんだった」?やっぱり仕事を離れて半年経つと色々なことを忘れている。2時間ぐらい頑張って読んだけれど、神経質になっても仕方がないと予習は途中で切り上げた。


水曜日、朝6時に目覚ましがなる。目覚ましで起きるなんて何ヶ月ぶりだろう?シャワーを急いで浴びるのも久しぶり。「やっぱり仕事はしんどいなぁ〜。ことわった方がよかったな」と秘かに思いながら服を着る。


さて朝食。45分で食べ終わらなきゃと思うと気持が急く。急いで食べなきゃならないし仕事の途中でエネルギーがなくなったら困ると思ってカーネーションミルクというブランドの朝食用のシェイクにアイスクリームを入れて飲むことにした。まずトーストが喉にひっかかって10分間ぐらいむせた。次にシェイクが喉に入って行かずもどしてしまった。さらにお腹も痛くなった。緊張していたのだろうか。結局朝ご飯は殆ど食べず、半泣きで仕事に向かった(勿論夫が運転してくれた。)


会議は長引き3時までかかった。昼食時間もサンドイッチを食べながらの交渉だったので殆ど7時間近くの休みなしの仕事になってしまった。2時間に1回の休憩はもちろん忘れられていた。昼食時間も私はサンドイッチなんて食べられないから持参したヨーグルトドリンクを時々舐めるだけ。後半は鉄腕アトム(古!)みたいに途中でエネルギーが切れなきゃいいけどと心配したけれど何とか大丈夫だった。


交渉にはドラマがあって、しゃべっている人の言葉の真意や感情を伝えなければならない。通訳の仕事はパフォーマンスなので上手く行ったと実感できる時とそうでない時がある。元々が文系、文学系だから、微妙なニュアンスを伝えるのは私の得意な分野である。今回は通訳をしながらの充実感もあったし、米国側にも日本側にも満足頂いた手応えを感じて「やっぱり私はこの仕事が好きなんだな」と実感した。


しかし仕事が終わった後はもちろん腑抜けである。帰宅してからはひたすらゴロゴロ。晩ご飯はタイ料理のテイクアウトを買って来てもらった。そして、今日もひたすらゴロゴロして、食べることに徹している。


前回の仕事では3時間ですっかり疲れてしまった。今回は得意な分野であったとは言え7時間弱の仕事だった。20日間で2倍の仕事ができるようになったのだ。自分では回復が遅々として進まないとイライラしていたのだけれども順調なのかな?(もしかしたら今回も又単に無謀なだけだったのかもしれないけれど。)