ここ2週間、次々と放射線医と腫瘍内科医との検診があった。


放射線医との検診はもう大分前から1年に1度になっている。一年前にiphoneのカレンダーに入れた日付が間違っていて受付で「あなたの検診はあと1か月先よ」と言われたのだが、「ひゃ〜〜、iphoneのアプのせいだわ。テクノロジーは信用ならないわね。ほほほ。でも、せっかく来たんですし、私のアポは一番最後だとおもうんです。入れられませんか」とニコニコとごり押しして結局診てもらった。大学病院でこういう折衝をしてしまう私、患者のプロだし『すごいオバさん』だ!!


私の放射線治療はIMRT (Intensity-modulated radiation therapy)強度変調放射線治療。肺や心臓にシールドをかけた上で食道の裏にまで放射線をかけた。かなり新しいやり方であったらしく、医者からは「僕が死ぬまで検診するからね」と言われている。検診は問診と触診と雑談だけ。察するに晩期毒性を観察しているのだろう。


腫瘍内科医との検診では血液検査、問診、触診。「そろそろ5年だね〜。これは偉業だよ〜〜」と医者はニコニコ。「ってことは、もう来年から来なくてもいいってことですか?寂しいなぁ〜」と言ったら「いや,僕は10年までは患者を診ることにしている。もし君が良ければだけど」と答える。この時点で医者達とのリンクが切れるのはちょっと不安なので、とても嬉しい言葉だ。


今回の検診で問題になったのは体重。相変わらず44キロを切っている。「この体重だと風邪をひいたり、下痢をした時のリザーブがないから、すぐ点滴とかになってしまう。できるだけ増やすように」と言われた。


実は最近とても調子がいい。その理由は朝1時間弱を使うエクササイズ。私の住んでいるマサチューセッツ州、今年は厳冬で大雪。散歩なんてできない天気がずっと続いている。癌が発覚する数ヶ月ぐらい前に購入したエリプティカルとエクササイズバイクがずっとほっぽってあった。それを使い始めたのだ。毎朝250キロカロリーほどを燃やし、ラジオ体操で締める。調子がいいし、お腹が凄く空く。体重も増えそうな予感がある。適度な運動って、当然のことながら本当に重要なのだ。

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ところで、2日ほど前にブログ「Tropic of Cancer」のミュウさんの弟さんからメールを頂いた。当ブログで私のブログに言及したいとのこと。誠に光栄なことだ。


ミュウさんは著名なプロデューサーだった。ブログの文章はとても美しく、妥協を許さない美意識を反映していた。存命中、私はただただファンだった。


5年前のミュウさんが治療を受けた時代と較べると放射線治療に対する考え方が少し変化している。でも、限られた体力と時間の中で、冷静に貪欲に生きられたミュウさんの生き方とブログはこれからも多くの人にインスピレーションを与え続けることになるだろう。