12月23日に拡張を含めて内視鏡検査をしたので、術後検診が1月4日にあった。前のブログにも書いたとおり、別に狭窄があった訳ではないのだが、2年に1度の胃管の定期検診の結果だ。


検診だったので生体検査も行われたのだが、これと言った問題なし。胃酸の逆流によるマイルドな食道炎があるらしいけれど、胃管を作ったことで胃と食道の間の弁がなくなったわけだし、1日に1度くらいの割合で食べ過ぎた食べ物をもどしているのだから仕方がない。結局食後すぐ横にならないことが一番大事な生活習慣になるのだろう。


B外科医の周りには沢山のレジデントがいてその顔ぶれが次々に変わる。今回のレジデントはお喋り好きだった。私の記録をみて「いや〜〜すごいね〜〜。もう3年?ケモラジでT3N1からT0N0になったのかぁ。ケモラジが凄く効いた上での摘出だから、生存率が一番いいグループなんだねぇ」と陽気に喋る。


私がケモラジ、摘出手術を受けた頃、日本では「食道癌治療ではケモラジの方が外科手術より、QOLを含めてずっと効果的」と言う意見が強かった。インターネットの世界では何故か「アメリカではケモラジで治療している」という文献引用の無いコメントが横行していて、ネットの怖さを感じたものだった。


そして、http://yuzoruru.blog51.fc2.com/blog-entry-28.htmlにコメントを寄せられているGottonさんの奥様の治療が行われたのもこの時期だった。Gotton様とは治療の曲がり角毎にメールでご連絡をいただき、亡くなった時の状況もご報告頂いている。


結果が出てしまった後からは「何故、あの時に」と言う悔恨がいくらでも出てくるものだけれど、Kenzaburou先生のブログにもある通り、癌の進行、治療への反応は教科書通りには進まない。様々な伏兵が患者ごとに待ち受けていて、医者と患者は要所ごとに新しい決断を迫られる。その努力の中で少しずつ医学は進歩して行くものなのだろう。個々のケースでは医者も患者も「聞き上手」になることが一番必要なのかもしれない。


さて、私の個人的な生活ではここに書いたように、あらたに癌と向いあうことになった。そういう年齢になったということなのかもしれない。