3日間は通訳の仕事。3日間ともお天気がとてもよく、桜、ツツジと次々に花が咲いて行く。それをゆっくり眺める機会がないのがくやしい。


ところで最近仕事の関係でインスリンと血糖の関係を学ぶことができ、同時に自分の経験するダンピング症候群についても理解が深まった。



食道摘出手術をした直後はお腹が全然空かなかった。「胃がなくなったから空腹を感じないんだ」なんて無知なことを言っていたのだが、血糖値がおかしくなっていたのだろう。当時は夜間経腸チューブで数時間にわたり栄養を入れていたので血糖が高くなりっぱなしだったわけだ!血糖に反応してインスリンを出す膵臓の方もびっくりしていたに違いない。本人の知らないところで消化機能もホルモンも一生懸命新しい身体に慣れようと調整していたわけだ。自分の体ではあるけれど、ほんとうにご苦労様だった。



私の最悪のダンピングは朝甘いものを食べた時に起こる。およそ一年前にごま大福を食べた時は48時間から72時間ほど腸が捻れて大変な思いをした。考えてみれば血糖が低めになっている時に、思いっきり甘いものを食べたわけで血糖値が劇的に上がってしまったわけだ。また、まだ一回に食べられる量が少ないので、空腹(血糖値の状態)がすぐ来る。室川さんという超元気な食道癌サバイバーの方もブログでおっしゃっていたが、下手をすると低血糖症状(震えがきたりする)になる。おやつが必要な訳もしっかりと理解できた!



さて、昔はご飯なんか食べなくて大丈夫だったのに、食道がなくなってからは何故か白米大好きになった。仕事に行く時や、飛行機に乗る時はいつもお握りをこしらえて行く。ここで、私には疑問がある。食道がなくなって胃がその代替をしている場合玄米食は体にいいのだろうか。癌にかかる前は、玄米が大好きで、カレーのようなメニューには玄米を使っていたので先日炊いてみたのだが、食べた後ダンピングのような症状に陥ってしまった。どうやら腸にかなり負担がかかったようなのだ。胃で消化してくれないから当然なのかもしれない。食道を摘出した人は、燃料として、ある程度はご飯のような糖に変わりやすい炭水化物をとるのが必要なのかもしれない。



多分、私の場合、腸もランゲルハンス島ももかなり無理をして適応しているに違いない。癌にかかった時に「癌以外は健康そのもの」と言う事実が一番重要なのだと思ったけれど、回復した今もその思いを強めている。