いいかげんに時差ぼけがなおってほしいのだが、今回は妙にひきずっている。寒くて家の中に籠っているからだろうか。夕べも3時半頃までねむれなくて、おかげで朝からぼーっとしている。1日が翻訳と書類整理と健康診断で過ぎた。

夜は夫の大学で学生が主催した「国際結婚(異文化間、異人種間の結婚)フォーラム」のパネリストになっていたのに、何の準備もなしで出席。文化が違う、人種が違うことで結婚が破滅しそうになったか?何がチャレンジだったか、とかアドバイスとか訊かれた。私達の他に中国人と結婚している教授、白人と黒人の若いカップルが招かれていた。驚いたことに次男が友達と一緒にオーディエンスの中にいた。


睡眠パターンがまだおかしいからか、パネルが終わったらすっかり疲れ晩ご飯はベトナムレストランに行ってフォーを注文。術後1年4ヶ月たつのにまだフォーのような麺類は問題がある。2度ばかり喉につまらせてトイレに直行。ゆっくりとしか食べられないから熱いのが美味しいフォーも冷えて伸びて来る。でも少しでも食べられるんだからよしとしなきゃ。自分で自分に腹立たしいけれど、帰宅したらそのままベッドに直行。


2日前に最近食道摘出をした奥様の回復を心配している方からメールを頂いた。3週間ばかり前に手術が終わり家で食べる練習をしている奥様は「いつになったら食べられるようになるんだろう」「ずっとこのままではないか」と沈んでいらっしゃるとのこと。まだ痛みもひどいだろうし、その気持はとても良く分る。友人で乳癌になった人なんかは、治癒率も90%以上で、今は何でも食べられる。ケモラジ治療中も食道癌の患者の経験する食道炎なんか無縁で旅行なんかしてた。なのに彼女は再発をすごく心配して時々鬱になっている。いつもは「うん、うん」と聴いてあげるんだけど、時々「貴方の癌のQOLは私のに較べたらすっとましじゃない。あんまりぐだぐだ言わないの!」と言いたくなることが私にだってあるもの。食道癌は手術の後のQOLもあまり良くないから、時々「癌は癌でもなんでこんなのに罹ったんだろう」と思ったことがあった。でも完治が絶対望めない血液癌もあるのだ。


前にも書いたけど足や手を切断したのと同じだと思えばあきらめがつく。足や手がまた生えてくることはないけれど車椅子でマラソンを走れる人もバスケットができる人もいる。それを目指すのは可能だ。そして不思議なことに身体も心も「新しい限界」に少しずつ慣れ、限界の中でできることが増えてくる。それに女性に取って嬉しいことは、もう太ることを心配しなくていいこと。ジーンズのはまり具合には自分でもほれぼれしますよ。


ある食道癌のサイトで頑張っている人のモットーが「焦らず、諦めず」だけれども本当にそうだと思う。術後の鬱状態の時は本当に大変だけど、焦らず、諦めず、歩幅は小さくても右足の後は左足を出して、ね!!