午前中は夫の大学でインド音楽のパフォーマンスがあるというので出掛けた。大学にはインド人の音楽の教授でかなり有名な人がいて彼の解説つき。詠歌とタブラーと言うドラムの演奏である。


インドの音楽は西洋の音楽が12音階(白けん盤+黒けん盤)のところに66音階あるそうだ。音楽も自然やヒンズーの世界観と密接に結び付いていて朝の音楽は軽い明るい音が中心で、日が深まるにつれて音の彩りも増えて行く。拍子の取り方も16拍、7拍と西洋の音楽とは少し違う。音楽家の耳がない私でも解説を聴いてから音楽にふれると少しだけ分る気がする。座ったままで唄われる歌の中にこぶしのように添えられる繊細な音の音色に感動してしまう。唄う女性の声音が、深いものから浅いものへ、明るいものから暗いものへ、おどろくばかりに変化する。西洋の音楽に較べると大地の響きをあらわすような気がすると言ったら言いすぎかな〜。


タブラーという太鼓の奏者のテクニックとリズムがまたすごかった。今ジャズ奏者たちと一緒にインプロバイゼーションなどをやっているらしい。その際には音楽の分野の違いなんて何にも感じないらしく楽しくて仕方がないそうだ(旦那によると超一流のジャズシャンとジャミングをやっているらしいけど、私は名前を聞いても分らない。)音楽や絵のもつ普遍性で所謂領域をすっと超えられる優れたアーティスト達の感性。ちょっと妬ましい。


夫はタブラーの演奏者と名刺交換をしていた。実は彼は数年前にアジアに行った時タブラーを買って来て、以来「退職後は絶対にタブラーを練習するんだ」と言っていたので、「個人レッスン→出費→かなり危険」と私の家計アンテナはピクピク(ギターだって練習する時間が充分ないくせに。)でも「あんな才能あふれる人に教えてもらうのは足がすくむよ」と言っていたのであんまり心配しなくてもいいかもしれない。