ハワイとマサチューセッツは時差が5時間あるので夜は眠くないのに朝起きづらい。夕べも今日が締め切りの翻訳で遅かったので朝寝坊をしようと思っていたら「朝御飯に卵をつくったから、起きろ」と夫から言われた。大雪の後の青空からまぶしい光が差し込むダイニングに降りて行くと、スクランブルエッグに小さなライ麦パンのトースト、夕べの残りのトマト/レッドペッパースープがランチョンマットに並べてあった。食欲はあまりなかったのだけれど夫に悪いので食べた。量が多かったのだろうか。最後に飲んだスープが喉元まで上がって来る。表現できない嫌な気分になる。息切れがする。頭がいたい。ほうほうのていで寝室に上がり上半身を立てた形でベッドに避難。結局数回吐いて、最終的には下○になってやっとおちついた。


12月9日にはハワイマラソンウォークを完歩したし、仕事で出張もできる。量もスピードもまだまだだけど殆どのものが食べられる。だけど軽いダンピングと喉のつまりはまだ時々あって、ハワイに出張中も朝食や昼食の後2、30分ちょっとつらいことが数回あった。1年前と今の違いは、症状が軽くなったことと、心の中で「悪阻みたいなもんだ」と納得して管理できるところだ。どちらかと言うと朝は用心した方がいいことも、食べたくない時は食べない方がいいことも学んだ。食べる量が少なくても充分栄養は摂れているらしく最近は体重も増加傾向である。


経腸チューブをいれている時から、ベッドの頭の方の脚の下にブロックをいれてベッド自体を傾斜させていた。食道摘出手術の後はとても役に立っていたし、ダンピングの際も安心して横になることができた。しかし最近は朝目が覚めると身体がベッドの下端まで滑っている。つい2、3ヶ月ぐらい前までは手術の影響のせいか睡眠時間が2、3時間ずつ分断していたので、その都度姿勢をただしていたのだが、最近は夜中に1度しか目が覚めなくなった。寝る時間が長くなったので、重力にひっぱられて滑ってしまうのである。


たぶん人間みんなそうだとおもうけれど、自分の中で変化を起こす時は「特別な時点」を選んだ方がやりやすい。今回の10キロウォークは私にとってはとっても大きな契機なので、これを機にベッドの下のブロックを外して「エッジ」と呼ばれている三角の枕の上に普通の枕を置くことにした。これまでは食後すぐ寝ても大丈夫だったのだけれど、角度がなくなったので食後すぐには眠れなくなった。でも「滑る」と言いながらも1年4ヶ月30度の角度のついたベッドに一緒に寝てくれた夫をやっと解放してあげることができた。

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午前中は水彩の先生が来てくれた。クリスマスプレゼントにサクラの18色のトラベルセットを頂いた。ハワイで使ったウィンザーニュートン(コットマンだと勘違いしていた!!)の発色がとても気に入っているのだが、来年1年かけて、この二種類の絵具を使いこなせるようになるのが目標なのだそうだ。