私の一番の苦手は掃除。10代の頃掃除をしている私の手際の悪さを見て、弟が「姉貴、掃除ってのは物を移動させればいいのとはちがうのよ」とのたもうた。あまりにも的を得た言葉だったので今でもよく思い出す。


さて、今日は1年半ぶりぐらいにシステマティックに掃除機をかけた。何をやればいいかがしっかりと定義された所謂「お仕事」から帰って来て後は休憩という生活には簡単に復帰できる。しかし次から次へと湧いて出てくる家事を満足にできるようになるにはかなり時間がかかるし妥協が必要だ。


さて、ただでさえ去年の5月からの垢がたまって汚くなっていた我が家だが、3月のトイレの崩壊と4月の地下浸水のダブルパンチを受けた(そろそろ大工さん達が入ってくれる予定なのだが我が家のプロジェクトは儲けの少ない小さな仕事らしく未だにそのまま。)そこに夫と次男が海外から帰宅。さらに長男がゴミと「捨ててもいいのに捨てられないもの」を残して家を出た。


実は4月の地下浸水の時地下に置いていた掃除機が水に浮かび駄目になった。以来軽くて強力な掃除機を探していたのだが、なかなかいい物がみつからない。掃除機の代名詞みたいなフーバーのは重くて階段を運ぶのに大変そうだし、日本製は猫の毛のある我が家には少しもの足らない。ここ2ヶ月はお掃除のお手伝いの方が持参してくださる掃除機と長男が大学時代に使っていた小さな掃除機だけで凌いで来た。


今朝、夫が「ケチなキミに任せとくと絶対に買わないだろうから」と言ってMiele(ドイツ製の掃除機)の箱を担いで来た。先日掃除機専門店でその機能と軽さに感動しながらも値段にびっくりしてスゴスゴと帰宅した代物だった。「え〜〜、そんなに高いもの」と午後の半分までは抵抗して箱を開けなかったのだが、誘惑に負けて結局取り出した。


その使いやすいこと!軽いこと!強力なこと!猫の毛でうっすらとグレーになった絨毯が真っ白になっていくし床のコーナーも綺麗にまわってくれる。これなら私の体力でも持ち運べるし、お掃除に来てくれる人の回数も減らせるかもしれない!


所謂「仕事」に関しては「週2〜3日にしぼる」なんて方法論を考えたのに、家事に関しては「やる」か「やらない」かの二者選択でしか考えていなかった。掃除機一つでこんなにも違うものなのだ!


連続出費で頭が痛いけれど、必要経費ということで受入れよう。弟から「姉貴掃除上手くなったじゃない」と言われる日を夢見て。