今日は化学治療の日だったのだが、またもや白血球の数が少ない。結局明日から5日間白血球を増長する注射をすることで化学治療の薬一種類(シスプラティン)だけを入れる事になった。化学治療は6,7回が予定されているうち2回が駄目だとやはり治療効率に響くのだろう。


やっぱりアメリカだと思ったのは、この注射を自分で打てと言われたことである。私は針恐怖症だから自信はないけど筋肉に打つ針の短いものだとのこと。また初体験だ!


「白血球の数が少ないけど、他はとてもいい。体重もちゃんと維持してる。それどころか少し増えてるみたいじゃない」と医者は言った。本当に元気な気がするのだ。昨日あのヒーラー(治癒者)のRに元気まで吹きこんでもらった気がする。


ところで今日もまた例のピアニストのCDを治療中聞こうとしたが、CDプレイヤーの電池が切れていた。看護婦が予備の電池を持って来てくれた。目をつぶって曲をきいていたら医者自身がやってきてヘッドホーンを持ち上げて電池を換えてくれた。バッテリーインジケーターが光っていたと言う。


「あ、そんなことまで、済みません」と言ったら「君の大事な治療のためのイメージだから」と言われた。
少なくとも、治療促進のイメージの大切さは充分認識されているようである。


ちょっと散歩に出ようとしたらくらくらする。熱がある(もともと低温度人間なので普通の人の微熱が高熱になる。)7時半に医者に電話をしたら2分後に電話があった。薬局に抗生物質の処方を入れると言う。今夜は警戒態勢。熱が高くなり寒気がしてきたら抗生物質を飲まなければならない。しかし、それは抗がん剤と対峙することになる。医者は抗生物質を飲んでほしくない、でも用心しなければならない。医者も私もちょっとした綱渡りなのかもしれない。

それにしても、この多分飲まないであろう抗生物質の高かったこと!


さて、ゆっくりと頭を使わなくてもいいDVDでも見るとするか。


今日は緑のハンカチを頭に巻いた。