朝7時半に放射線医と面談した。IMRT (Intensity-modulated radiation therapy)強度変調放射線治療という手法で、3次元から精密に照準を合わせて放射線を当てる。京都大学放射線科のサイトを読むと、IMRTはコンピューターテクノロジーが治療効果増大と副作用の軽減に素晴らしく寄与した例であると書いてある。放射線治療は来週の木曜から週5日間毎日、合計28日間行われ、8月7日に治療が終わる。総放射量は5040センチグレード、一日の量は180。


日本だと、放射線治療も化学治療も入院して行われることが多いらしいけれど、こちらでは通院治療である。生活管理は難しいかもしれないけれど、できるだけ普通の生活をしたい私にはありがたい。


今日はIMRTのカリブレーション(口径測定)をする日だった。まず身体のスキャンをとる。コンピューターが一番効果のある口径と位置を決める。それを再確認する。その場所に入れ墨を入れる。それが全部終わるまでおよそ50分ほどCATスキャンの台座に横たわっていた。


F医はマサチューセッツ大学病院の放射線癌科のディレクターで、IMRTの機能、効果を分かりやすく説明してくれた。


放射線が腫瘍を殺すので治療を始めて最初の2週間ぐらいで、非常に調子が良くなるそうだ。つまり嚥下が非常に楽になる。しかし放射線を当てることで食道の壁の細胞が更新されないので3週間目ぐらいからまた調子が悪くなるという。


彼の話で面白いと思ったのは癌細胞の特徴だった。普通の細胞は分裂、治癒など様々な機能をバランス良くもっているのだが、癌細胞は単に分裂するだけ。だから放射線ですぐやられてしまうのだそうだ。まるで2000年頃の米国ドットコムバスト(Eビジネス崩壊)みたいだ。また、今米国では9人に1人が癌から生還した人であるという数字も耳に残った。


朝の7時半のアポだったので病院を出たのが10時過ぎだった。夫のマツダロードスターで出掛けたので、帰りは幌をおろして田舎道をゆっくり運転して帰った。とてもきれいな朝だった。


今日の夕飯は夫の係。チリと玄米、缶詰のサヤインゲン。