食道癌にかかり、ケモラジ、食道摘出手術を受けて、4年余。「シンジラレナイ、ワカラナイ。タバコも吸わなかったし、お酒もそんなに飲んだ訳じゃない。なぜ私が食道癌なんだろう?お味噌汁が熱かったのかな」とずっと言って来た。しかし「やっぱり飲酒だったのかも」と思わせる出来事が最近あった。


2週間ほど前のこと。梅酒をワイングラス2センチほど頂いて、椅子に腰掛けて本を読み始めた。いつの間にか眠ってしまったらしい。突然入った電話で目が覚めた時は「いったいここはどこ?」状態。たったあれだけの梅酒で酔ったのだ。私ってもしかしたら、アルコールにはめっちゃ弱いタイプなのかもしれない。実は、食道を摘出して以来お酒を飲まなく(飲めなく)なって、ビールをコップ2センチ、白ワインを2センチぐらい(赤はアルコール度が高く駄目)を時々舐めるだけの下戸になった。


私は所謂「お酒を飲むと顔が赤くなる」タイプだった。つまりALDH2酵素を一つしかもっていない。でもケン三郎先生のところに書いてあるような「昔は飲めなかったけど、飲めるようになりました」タイプの飲んべえではないと思っていた。むしろ「健康のために適度のワインを飲む」タイプだと信じていた。


癌の診断がくだるまで、1日にグラス1/3ぐらいワインを飲んでいた。母親、主婦、かつ仕事を持っていたから晩酌なんかする時間なんかない。夕食の準備をしながらビールをコップ1杯、あるいはワイングラス1/3を立ち飲み。量的にはそれだけ。


私の頭の中での飲酒のイメージは、晩酌をしては横になって寝てしまっていた父の姿。
それに較べて「お酒のせいで寝ちゃった」「気分が悪くなった」ってことはなかったし、量も少なかった。だから「飲酒が原因?そんなこと絶対ありません」と言ってきたのだけれど、単に横になる時間がなかったり、酔っぱらう余裕がなかっただけなのかもしれない。どんなに疲れていても、食事の準備はしなければならないし、お皿は洗わなきゃならないし、次の日の仕事の予習をしなければならなかったもの。


何だかカミングアウトみたいなブログになりました。少なくとも米国ではグラス1/3のワインは飲酒とはみなされず、医者もファクターとみなしませんでした。でも、もしかしたら、女性でALDH2酵素欠如の場合、アルコール依存症と同じで、少量の飲酒でも食道癌になりやすいのかもしれません。


追伸:


同じことをゆうさんがゆうのブログでサラリーマンの立場から書いていらっしゃいました。また英語版の記事としてはhttp://www.nytimes.com/2009/03/21/health/research/21alcohol.htmlが一番分かりやすいです。