食道癌患者にとってとても分かりやすいのが雄三さんのサイトである。医学サイトから闘病サイトまでをハブのポータル的にまとめてあって、彼のサイトのおかげで様々なブログを知ることができた。


そのブログの一つに奥様の闘病を模様をリアルタイムで書き綴っているものがあったのだが、今朝「奥様が亡くなった」という悲しいニュースが伝えられていた。


看病なさっているご主人のブログなので書き込みをしたこともない。しかし、彼女の治療が06年の夏で、自分の治療時期と似ていたこと、抗がん剤治療の間もテニスをやめなかった前向きでがむしゃらな態度に何となく親近感を覚えていた。でも今はただただ手を合わせることしかできない。


現在の食道癌の生存率は60%ぐらいだろうか。だからブログにしても耳に入ってくるニュースにしても半分は悲しいものであるのは分かっている。しかし悲報を聞くたびに悲しさと同時に「生かされている」という思いをあらたにする。どうやら人間の理解を超えたところでのランダムな遭遇があるようで、たまたま生かされている組に入った私は今を大事にするしかない。


さて、そのブログはご主人にとっては事実を把握し、奥様の生の営みを確認し、コメントから勇気をもらうピュアーなコミュニティであったように思える(ちょうど闘病中の私がこのブログのコメントから沢山の勇気をもらったように。)そこには同じ病気や状態になった人達でしか共有できない空間があった。そういう意味でのブログのガス抜き、確認の価値はまだ認識されきっていないように思う。


こんなニュースに遭遇すると、いつの間にかお便りのこなくなった方々、ブログの途絶えてしまっている方々に思いが馳せる。みなさん書けない事情にいらっしゃるのだろう。安寧を心から祈ります。