うちのメーンの小屋はロブスターを専門に獲る漁師さんの持ち物だった。漁師はあまり収入の良くない仕事なので家の修理は全て日曜大工。do it yourself用の資材を買って来て自分で床を貼ろうとしたり、化粧壁をとりつけようとしては上手く行かず、途中でプロジェクトを投げ出していた。だから小屋を購入した時はちゃんとした床も天井も壁もなく、配管も安いパイプをとってつけたものだった。私達にはそんな小屋しか買えなかったのだが、地下の基礎のコンクリートの打ち直しを手始めに少しずつ修理をして来た。


ところが、先週滞在した時にシャワーハンドルが抜けた(多分これも漁師さんが自分でやったのだろう)ので、これを機に配管を総入れ替えしようと思った。安くて質のいい業者を探さなければならないがメーンの住人ではないので情報をもっていない。メーンの家のお隣さんに電話をかけて「いい配管工知らない?」と尋ねた。


電話の途中で、突然シャーという勢いのいい音が聞こえて来た。いったい何なんだろう。10分ほどの会話を終えて音のする所に行ってみると、洗濯機につながれたパイプと、その周辺から凄い勢いで水が噴出している。わ、メーンじゃなくてマサチューセッツの配管問題だ!水道管が破れたのか、パッキンが外れたのか?さっぱり訳が分からない。一応ハンドルをまわして水を止め、ずたずた、びしょびしょになった床に古いタオルを置いて水を吸わせた。


洗濯機のあるのは1階。たぶん地下に水漏れしている筈だ。あ〜〜、やっぱり!次男が友達から預かって保管していたカウチがびしょびしょ!ここにも古いシャツやタオルを置いて一応水を吸わせ、扇風機をかける。明日天気がよければカウチを外に出して天日で乾かさなきゃ。


我が家は水難の相がある。去年は夫婦で日本にいた時に豪雨によって地下が壊滅して絨毯を換えなければならなかった。そしてその1ヶ月後には2階のトイレが壊れて水漏れし、2つのトイレの大改装をしなければならなかった。


去年を思い起こし「今年は洪水もなくてよかったな」とほっとした矢先の事件である。それにしても水難事件の起こった時に夫がいた試しがないのはどうしてだろう。


配管工には朝一で来てもらうことで電話をした。保険会社とも交渉しなくちゃ。明日仕事が入ってなくてよかった。