だらだらと一日を過ごしてしまった。天気予報では今週一杯天気が悪いということだったのに、春らしいいい天気になった。メーンに行けば良かった。



午後からは友人と1ヶ月前ぐらいに転倒してリハビリ用の病院に入院している老婦人のお見舞い。往年はアクトレスで歳をとってからも三文オペラのコンサートをコミュニティで行っていた人だ。数年前に交通事故で片足がきかなくりウォーカーを使用していたのだが、今回の事故でもう片方の足も駄目になった。



病院では患者用のカーニバルが開かれていた(所謂日本の老人用デイケアで行われるようなイベントである。)誇り高くソフィスティケーションのある彼女は、その幼稚な、老人を子供みたいに扱う行事に我慢できない。年齢は違っても私達のような友達とお喋りをしたいのである。そのフラストレーションが伝わって来てとてもつらい。



とってもしっかりした人だったけれど、会話をしていると時々混乱するようになっていた。こういう訪問をすると自分の親、果ては自分の老後のことまで考えてしまう。日本に帰らなきゃ。



さて、夜はもう一度「高慢と偏見」を見た。米国英語に慣れ親しんでいるので、英国英語の映画の会話をかなりミスしてしまったのだ。2度目は会話をずいぶん楽しめた。それにしても映画に使われている英国の田舎の景色やコスチュームを見ているとトマス・ゲインズバラやジョシュア・レイノルズの絵などを思い出してしまう。この作品が書かれたのはビクトリア期の一つ前のリージェンシー期だ。社会が成熟し、階級が固定し閉塞し、女性にとっては結婚が全てだった時代である。女性の権利、仕事についてずいぶん考えさせられる。