昔はビュッフェスタイルの朝ご飯が大好きだったのに、癌にかかって以来2年ぐらい食べていない。食道を摘出して以来、普通の人の半分も食べられないので「食べ放題」ほど不経済なメニューはないのでずっと避けていた。しかし、夫といるとついつい連れられて注文してしまった。ワッフルやパンケーキ、ソーセージ、果物などを皿に取り、時間をかけて食べたのだが、直後にひどい頭痛に襲われ、部屋に帰った。食べ過ぎ!で少量吐いた後少し休まなければならなかった。朝はあまり食べたくないという身体の声に耳を傾けるべきだった。


結婚式などのおめでたい席の中心は何と言っても食べ物。夕食のイタリアンはとても美味しかったのだが、前菜を思い切り食べた後のプタネスカのパスタが良くなかった。喉の下にぶら下がっている胃袋の許容量をオーバーしてしまい、食べたものの半分以上をもどした。もっともその後平気な顔をして席に戻りテラミスとチーズケーキのデザートも少し食べたけど。



酒に強くなるために「吐いては飲む」人の話を聞いたことがあるけれど、私の場合は「次のコースを食べるために吐く」ようなもので、ヘドニズムそのものだ。美味しい食べ物が目の前にある場合はしかたがない。食に対する業は生のエネルギーの指標だと信じよう。