3週間ぶりで物理療法士のところへ行く。食道摘出手術以来、左肩、左腕が痛くて自由が効かない。治療、手術を通じて体の左半分に以下のような大きなトラウマがあったのだ(ケモラジ治療は2006年の夏、手術は9月の末。すっかり復帰して仕事をしているのだが、隠れた後遺症である。)


1)8時間の手術中左肩が下になっていたこと
2)抗がん剤用のカテーテルが数ヶ月入っていたこと
3)経腸チューブが数ヶ月左腹に入っていた
4)食道を切り取って胃管とつなげる時、左側の首に穴をあけてつないだ


この物理療法士さんは普通の治療とちがい、手の平をつかって筋肉組織の歪みを直してくれる。3週間前の治療で肩の重みがかなり取れたのだが、今回は首を中心。首の筋肉が大幅にずれ、固くなっているのだそうだ。考えてみれば首に大穴を開けて、胃管と食道を結んだのだから、そこに侵襲があった筈だし、体の方もそこを護ろうと不自然に力を入れていた筈だ。今回も別にひっぱるわけでも、もむわけでもないのだが、1時間の治療の後、肩も首も驚くほど軽くなった。



さて、この療法。治療中は痛くも痒くもないのだが、筋組織を大きく動かすのでその後水を多量に飲むことを薦められる。今日はそれを忘れていて、替わりに甘草のお茶を飲んだ。その副作用なのだろうか、更年期のホットフラッシュなのだろうか、突然頭がぼーっとして来て、体に震えが来た。大慌てで多量に水を摂取してベッドへ。ネットで調べたところ、甘草の副作用に脱力がある。筋組織をいじった後には飲むべきではないお茶かもしれない。


食道摘出は大きな手術。まず食べること、ダンピング、様々な問題を克服せねばならず、肩の痛み、胸の痛み(手術によっては肋骨を脱臼させる)などへの対応はどうしてもおろそかになる。しかし患者の真の意味での回復、QOLの見地からは、今日私の受けたような物理療法も治療の一部として是非献立の中に入れるべきだと思う。