2週間ぶりの曇り空。目の前に広がる水と空には「絵はがきにしてください」的なはでな輝きはない。でも曇り空を映す水はミステリアスだ。こうやって絵筆をもつようになるまでは、光や陰や雲が一瞬にして変わってしまうこと、空と水の深い関係(考えてみれば当然なのだが)に気づかなかった。モネの「積み藁」の連作ではないけれど、描けば描くほど、自然と向かい合えば向かい合うほど奥が深くなる。


午後5時まで小屋にいて、海辺を散策してから帰路につく。かなり荒い波の上を今までみたことのない渡り鳥が集団で漂い休んでいる。先週来た時に見た鳥達とは違う種類だ。どのぐらいの距離を飛んで来たのだろう。これからどこに行くのだろう。メーンに来るたびに、人間は地球というおおきな生態の中のほんの一部にすぎないことを自覚する。