幸せが不幸の種になり、不幸が幸せを生み出すことになる。そんな時日本では(多分中国でも)「人間万事塞翁が馬」という諺を使う。ところがそれと似た状況に関して米国では「There is always a silver lining」という言葉を使う。この言葉は「雲の後には必ず太陽が隠れていて、雲の縁は銀色に光っている。逆境の中にこそ希望が潜んでいる」と言う意味である。


米国は若いからだろうか?リソースが豊かで個人の努力が日本や中国よりも報われやすいからだろうか。あるいは社会にまだまだ柔軟なところがあって人と違ったことをしても結果さえよければ受入れてくれるからだろうか。困ったことになった時には「There is always a silver lining」をモットーに、逆境を生かす工夫をして頑張る。例えば自分の子供が不登校になった時の親の取り組みも、そういう意味でとても積極的である。そして私はこの心意気が大好きだ。もちろん私達の人生は「塞翁が馬」的に運不運どうにもならないところはあるけれど、チャレンジに満ちた時期に我慢をするだけじゃなくて、その環境の中にある一見マイナスのプラス要因をみつけようとする努力はとても大事だ。米国に起業家が多いのはこの文化のせいかもしれない。


今年の春私の姪っ子が高校入試に失敗した。不本意の高校に入り不登校になってしまう例を沢山見て来たのでとても心配した。ところが彼女はその第2志望の高校でしっかりと勉強をし、素晴らしい成績を修め、特待生になってしまった。彼女にとってそれは所謂リベンジだったのかもしれないけれど、私に言わせるとThere is always a silver liningそのものだった。


そして今私がとても大事に思っているご夫婦がかなり難しい選択を迫られている。雲の後には必ず太陽が隠れていますよ。