嵐のような1週間だった。週末メーンに行ったけれど、紅葉狩り(とっもきれいだった)を兼ねて田舎町の画廊を訪ねた数時間以外は抱えている翻訳にかかりっきり。帰路の3時間のドライブ中も車の中で翻訳の仕上げ(ラップトップのコンピューターのお蔭!)日曜の夜(月曜の朝)2時半にやっと仕上げてメールで送付。


月曜から4日間は米国の難病支援の調査に来た方との仕事。彼の宿泊しているホテルが家から220キロ以上離れていたので、そこへの往復だけでも4時間かかる。だから1日13〜14時間拘束の仕事で、帰って来てからはメールをチェックして寝るだけの日々だった。


さて、通訳という仕事は普段全く知らない世界と出会える魅力がある。今回も仕事のお蔭で様々な方の生き様を覗くことができた。


多発性硬化症という病気にかかりながら、仕事を継続するためのknowhowをコンサルティングして同じ病気に掛かった人を支援している人。リューマチ性慢性関節炎で看護婦の仕事ができなくなってから、リサーチャーになり自分と同じ病気で苦しんでいる人のための研究をしている人。。。


病気になって心の病まで抱えて苦しんでいる人と、「病気がありながら、別の生き方をみつけ」頑張っている人の違いは何だろう?


私が癌に罹った時、癌と血液学の専門の方がhope prescription(希望の処方箋)と言うタイトルで癌サバイバーのためのお話をなさった。癌の研究者でありながら、自分自身も2つの末期癌からの生存者である。処方箋として彼は以下の5つを揚げた。


1) 子供が大学を卒業するまでは、60になるまでは死ねない、みたいな目的をつくるな。常に次のプロジェクトをもて。

2)回復期に何か新しい、自分でコントロールできることを始める。

3)ボランティアでも何でもいいから人助けをする。

4)家族の者、親しい人にまるで今日で命が終わってしまうような気持で大事な話をする。

5)新しい治療法(治験であっても)をどんどん取り入れる。


考えてみれば今回お会いした方々は、みなこの処方箋の実行者だ!今や何らかの疾患を持つ人が人口の半分の時代だそうだ。これと言った診療方法のない難病、治療法はあっても常に薬が離せない病気、知的障害、発達障害、心理障害、癌。。。。 当然のことだけれど、普通に健康であるということは当たり前ではなく本当に有難いことなのだ。