旅行から帰ってしばらくは医者通い。


まず木曜(8日)の午前中は放射線癌科の医者と会った。夏最後に会った時、トルストイのイワンイリイチの話をしてくれた医者である。「顔色もいいし、こめかみも膨らんでるし、もう病院に来る人じゃない」と言ってくれた。


彼の話によると、私の放射線治療では新しいプロトコールを使ったとの事。IMRTという精度の高いマシーンのコンピューターによるプロラムを使っての治療だったのだが、私の場合シールドで肺や心臓などの周囲の臓器を保護しながら、食道の裏側まで放射線をあてたそうで、私の咳もすっと観察していたらしい。彼は米国のCancer Societyに治療スタンダードを示す立場にある医者なので、現在このプロトコールを使って治験があちこちで行われているそうだ。


何故私に新しいプロトコールを使ったのだろう?他の病気がなかったからだろうか。若いから長期的リサーチに適していると思ったのだろうか。


午後は腫瘍内科医と会った。思った通り体重減少(100ポンド=44キロ)を指摘され「せめて100ポンド以下にはなってほしくない」と言われた。確かにもう少し体重が増えてほしいけれど結構調子がいい。もしかしたら100ポンドが私の新しい体重なのかもしれない。


金曜日の午前中は肺活量、肺機能のテスト。その後、水彩のレッスンを受けた。今回はインディゴブルーとクリムソンローズとニューガンボージイエローを使った。水彩の色は、植物、鉱物、ケミカルによって作られる。色を水に溶いて彩色すると素材の違いで色同士がはねかしあったり、滲んだりする。水彩の醍醐味はこの色同士の一見偶然の反応を巧く使うところにある。だから絵の具のメーカー、色の名前をきちんと記録しておいてその反応を覚えておく必要がある。写真に出したものは、この3色で遊んでみたものだが、とても美しい。色遊びの後は遠近法を教えてもらった。


零度を越さなかった気温が週末になってやっと緩んだ。月曜からの仕事の準備に加えて、(マークがいなくなったので)洗濯や買い物を全部自分でやらなければならず 結構忙しい。でもやっと春めいて来た気温(7度)にさそわれて今日は友達と一緒に3キロ強歩いた。おしゃべりしながら歩いても息がきれない。本当に元気になってきている。


今日から夏時間。省エネということで今年は夏時間になるのが例年より3週間?ぐらい早い。例年と違うのでY2Kの時と同じようにコンピューターや電話のソフトのパッチにかなりお金がかかっている。2年間この早い夏時間で様子をみて、これを継続するか、今まで通りにするか議会が決めるのだそうだ。


車のダッシュボードや、腕時計や、電子レンジなど時間を変えなければならないものが沢山ある。いつもは夫がやってくれるので、やり方が分らないのもある。困ったもんだ。