(English version is 2/11)


ざわざわと忙しい10日間があっという間に過ぎた。


日本から無事夫が帰国したのが2月4日日曜日の夕方。その週は月曜から循環器系医療用器材の会社の仕事が2日入っていたので、スーツケースやお土産の入っていた箱を散らかしっぱなしで出掛けた。


その会社までは片道120キロ弱の距離があったのだが、今回は自分で運転した。朝7時に家を出て2時間近く運転してから8時間の仕事。こんなペースはまだまだ無理だと思っていたけれど、運転は思ったより疲れなかった。製造部門見学では、さすがに背中が痛くなったけれど、殆どは商談だったので大丈夫。週2日のペースなら、通勤も仕事も昔通りできそうだ。


これまでは医療関係は苦手な分野だった。普段聞いたことがない言葉が沢山でてくるので、予習してもなかなか言葉が頭に入らない。言葉も概念も未知なので、覚えるのに2重の負荷が加わるのだ。ところが、今回の仕事は面白くてたまらなかった。例えばカテーテルにしても、今回の治療中に何度もお世話になったものだから、説明が身にしみて分る。そして、治療中に色々な医学用語にお世話になったため、新しい言葉もレイヤーの一つでしかない。そして説明される機能や哲学が何故大事なのかが本当に良く分るのだ。医学や薬学の部門の仕事をもう少し広げてみたいなと思った。


次の仕事は今週月曜日のアパレル関係の大きなコンフェレンス。コンフェレンス用の原稿が1週間前からメールでどんどん送られて来る。前述の医療関係の仕事が終わった時点で頭をファッションに切り替えて、朝から晩まで翻訳をした。日曜の夜からボストンのホテルにチェックインして仕事をする筈だったけれど、その夕方に調子が悪くなってダウン。結局は月曜の朝6時半に家を出た。


丸10ヶ月ぶりで同時通訳のブースに入った。原稿をちゃんと翻訳していても、スピーカーは話を端折ったり、順番を変えたり、数字を変えたりする。それに凄い早口なので原稿を準備していても追いつくのが大変。毎年のことだけれども台風の目の中に入ったような気がしてくたびれる。午後はおよそ20分のランチの後(私の場合はカロリーメイト的な健康食品をかじるだけ、)ウイスパリングで、月々のコレクション説明会、ファッションショーでの通訳。ウイスパリングというのは、同時通訳なのだが、ちゃんとしたブースを組まず、通訳がトランズミッターを手持ちして通訳するもの。レシーバー(ヘッドホーン)をつかっている人には私の声が聞こえる仕組みになっている。


このアパレルメーカーは、私もシーズン毎にバーゲンに行っているところだ。ファッション用語なんて日常で頭にはいっている筈だと思っていたら大間違い。色の表現、スカートの形、そでの仕上げ。。。それはそれは専門用語だらけ。ファッションショーのMCの喋り方なんて、みのもんた的に立て板に水でユーモラスな早口で、ファッション用語を満載。その上イギリス訛でやられてしまった。アウチ!ちょっとお手上げである。辛うじて核になるところだけを訳したけど、冷や汗ものだった。


ただ、ファッションショ?もモデルさんも溜め息が出るほどきれいだった。このブランドは婦人服専門なので、モデルさんも、それほどやせ細ってはいない。小さな顔にすんなりと伸びた四肢での所謂キャットウォーク。その綺麗な身体を包む柔らかなファブリックが波を打ち、きらきらと輝く。「このブランドのお洋服ってこんなに素敵だったっけ?」と思うほど。実は私もそのブランドのスカートを着て仕事をしたのだが、それがなんとなくきまり悪いぐらだった。


さて、昨日と今日は通信業社との仕事。去年の夏癌が発覚して仕事をキャンセルした会社だった。ここも相変わらず専門用語とアクロニム(英語の頭文字)だらけの仕事で緊張したけれど、ファッション関係の仕事よりずっとやりやすかった。(今日は吹雪だったので、夫に往復運転してもらった)


1週間に2日だけの仕事と決めているのだが、先週は準備の翻訳が入ってしまったので、かなり忙しくなってしまい、日曜には背中が痛くて仕方がなかった。


実は先週腫瘍内科に行った時に、体重減少を厳しく注意された(45キロ弱)。すっかりやせてしまったので今の体重のロスは筋肉のロスになってしまう。背中が痛くなるのもそのせいらしく、ウェイトを使って上半身に筋肉を付けるように言われた。また、仕事への緊張のせいかもしれないけれど(自分では更年期障害だと思っているのだが)、ダンピングと背中の痛みと不眠が一度に来る事が良くある。仕事を控えていて背に腹を変えられない時は精神安定剤を飲んで寝てしまうのだが、替わりに抗ヒスタミン剤を試すように言われた。ナーコティック(麻薬)な副作用を利用するのだそうだ。

* **


写真(11日のも含め)は年4回行っているグルメグループの食事会。同じ町に住むカップルがメンバーでレシピをリサーチしてフルコースの食事をつくり、美味しいワインと楽しむグループ。7ヶ月お休みをしていたのだが、今回土曜日に再デビュー。エビのビスク、ビーフウェリンングトン、野菜のクリーム和え、チョコレートプディングケーキのメニューだった。でもワインは飲まなかったし、食べられたのはビスクとデザート1/3だけ。今回はお喋りを楽しんだ。こんなことやってるから忙しいのに拍車がかかるのかもしれない。