癌にかかってから、仕事も癌に関するものは進んで受けるようになった。今日やり始めたテープ起こしはアニマル救済シェルターの仕事。こちらで米国人と結婚なさった女性が乳癌で亡くなった。彼女の遺志をついでご主人がそのNPOに特別改造した車を寄付なさり、贈呈式が行われた。日本の遺族のためにその時のDVDをおこして翻訳をするという仕事。こういう仕事は時間にすると凄くがかかるので、半分ボランティアで安い定価でお仕事を引き受けた。


「もう長くないことが分かり、彼女と私は話をしました。彼女は遺産の全部を寄付したいと言い、寄付先は私に任せるといいました。。。(それでご主人がこの改造車をシェルターに寄付することになった)
○○さんと○○さん、病気の時の彼女を支えてくれて有難う。いつも家に来て、彼女と色んなことをしてくれましたね。彼女の最後の14ヶ月はとても幸せなものでした、皆の予測よりずっと長く生きました。彼女はその時間を自分のためにも、友達のためにも幸せな時にしました。○○さんは、彼女に毎日ハガキをくれました。そのハガキには毎日ちがった犬の絵が描いてありました。90枚以上のハガキ有難う。それから○○さん、犬を連れて来てくれて有難う。彼女は犬をなでることができました。。。」


ビデオの中のご主人はとても穏やかだった。奥様をなくしたのは悲しいことだろうけれど、こんな形で彼女の遺志を残せること、そのプロジェクトを行うことで、浄化された落ち着きがあった。