「最近どうやって絵を描けばいいか分からなくなったの」と一ヶ月ぶりで会った水彩の先生に訴えた。

う〜〜んと考えた彼女は私のスケッチブックを見て、構図は悪くないけれど色で失敗しているものを選び出し、2枚(本当は3枚がいいらしい)同じ構図の絵を全く違った色で彩色をするように言った。1枚目は普通の色、2枚目は普段は絶対に使わない色を使えと言うので、海を赤にしてみた。構図は決まっているし、写生をしているわけではないから色だけを考える。さらに3枚目はドライブラシ(乾いた筆に絵の具を直接つける方法)と呼ばれている手法で同じ絵を描き、そこで見つけた色を先の2枚にも適応する。


そうやって出来たのが以下の絵。


多くの画家は今日教えて貰った手法を使って数枚の絵を一度に描くのだそうだ。またこの手法を使って実験をしないと大きな絵は描けないらしい。


私が今の迷いに直面するまで彼女は何も言わなかった。これが個人指導のいいところだし、先生のすごいところだ。