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昨日の雪が止んだので、夫は5時半に雪かき。8時には家を出てメーンに出発。途中メーン州ポートランドの現代アートの画廊を廻ったけれど、あんまり良くなくて失望。
今回は先週仕事で頂いた美術館のカタログをいっぱい持って来た。まず開いたのはレンブラントの版画のカタログ。この展覧会の話をしたのが去年の1月、復帰の最初の仕事だった。1週間の仕事の第一日目で、話をしながら一瞬気が遠くなったのを覚えているから、私にとってはちょっと意味のある成果物。
カタログのエッセイがとても分かりやすくて、「レンブラント」の波瀾万丈の生涯が伝わってくる。鬼才、強いエゴ、失望、悲しみ、どうしても社会の傍流からのがれられないひねくれ者の社会観、ずるさ、居直り。これだけのメッセージが伝わってくるカタログは珍しい。執筆したボストン美術館のR氏、カタログを制作した名古屋ボストン美術館の方々に乾杯!!
ただ惜しむらくは図版が小さい。レンブラントはエッチングに様々な技術を加えて、何層にもわたる暗さを追求した人だ。ちょっと老眼が入っている私の目には、その闇の中でよく見えないところが多々ある。1年前に本物を見ているので、それを思い出しながらエッセーを読んだけど、普通の人にはそんな贅沢はできない。カタログにはできるだけ多くの作品を載せたくても、ページ数がコストのせいでかぎられているなど様々な制約がある。だけどエッチングなどの場合は細かいところが見えないと欲求不満に陥ってしまう。