花婿の父と母

夫と共に長男の新しいアパートにhouse warming gift(日本語だと引っ越し祝い?)の最新版象印炊飯器を持って訪ねた。池袋のビッグカメラが遊び場だった夫がポイントを使って仕入れ、手荷物で大事に持って来た物だ。長男とガールフレンドは大学時代から仲の良かったカップルと一緒に2ベッドルームのアパートに1週間前から住み始めた。


私と夫の米国での最初の住まいはシカゴ大学の既婚学生用アパートだった。汚れて灰色になって元々の色がはっきりしなくなったカーペット、ねじにホコリがこびりついてどんなに磨いても汚く見えるバスルーム、ゴキブリの走り回るキッチン、夏場になると太ももに張り付いて来るオレンジ色のビニール製カウチ、調節のきかない暖房装置。。。米国版神田川の生活だったので、息子達のアパートも似たようなものだと想像していた。


ところが、行ってみて驚いた。新築のアパートは淡いベージュのカーペットがしかれ、キッチンのカウンタートップはピカピカの御影石。天井が高くて広い!2ベッドルームそれぞれにバスルームがついていて、バスにはジャクジーまでついている!広々としたリビングには白いレザーのゆったりとしたコの字型のカウチが収まっている。まるで高級なホテルみたいなのだ。白のカウチはセコハン(古い言葉)を500ドルで買って来たらしいけれど素晴らしく座りごごちがいい。


大学を出たばかりでも仕事をもっている人が4人集っているから家賃を捻出できるわけである。


私たちが到着した時、ガールフレンドのご両親も偵察にやって来たので、みんなで昼食に出る。4人の若者とは別のテーブルに私達「親達』が4人座る。ガールフレンドの両親の最初のアパートも学生アパートだったので、ひとしきり今と昔を「まるで新婚夫婦の親同士」みたいに、そしてまるで「年寄り」みたいに比較し合った。


普通の幸せの一時である。ちゃんと心に刻んでおこう。