夕べ遅くにやって来た長男と一緒に昼間はLLビーンのあるフリーポートにショッピングに出掛けた。着るものにこだわらない彼は、いつもぞっとするような組み合わせを平気で着ている。ポロ、ノーティカバナナリパブリック、LLビーンファクトリーアウトレットを回り、少し金銭的補助をして上げた。


実は去年のクリスマスにも買物に一緒に出掛けたのだが、その時の彼は買物にも興味を示さず、LLビーンの屋内池の側のベンチで昼寝をしていた。ガールフレンドとの関係も仕事も上手く行かない。でも問題が何なのかはっきりつかめないというモヤモヤした状態で、自分にも周囲にも関心を払えない状況だったのだ。1月に彼女が出て行き、仕事の不満も私達にしゃべれるようになり、少しは膿が出て元気になったようで嬉しい。


夕食はThe Honey Baked Ham Companyで買って来たハムとベークトビーンズにサラダ、アスパラガス、ポテトの「イースターディナー」。今年の始めに亡くなった叔父が去年のクリスマスに送ってくれたギフト券を使って購入したのだが、とっても美味しかった。デザートは同じ店で求めたチーズケーキ。これもまたいい味。


夜は皆で「No country for old men」を見た。アカデミー賞を舐め尽くしたコーエンブラザーズの血なまぐさい映画。こういうタイプの映画が苦手な私は部屋を出たり入ったりして皆の顰蹙を買ってしまった。コーエンブラザーズの映画の主眼は私が若い頃傾倒していたヘミングウェー的自然主義。運命や死の暴力性、ランダム性であると思う。


血なまぐさいのに、荒涼とした自然を描くシネマトグラフィが素晴らしい。多分絵にはできな広大な大地の広がりが美しく描かれている。自然の美しさと残酷な人の営みの対比もコーエンの狙いだから当然だけど、涙が出る程きれいだ。どこで血がでるか、暴力が振るわれるかが分ったので、もう一度見てみよう。テキサス訛も、もうちょっとチャレンジしたいから。