今日はTax Free Weekendだった。マサチューセッツ州ではここ4年間8月の一週末を「消費税のないウィークエンド」に当てている。一品2500ドル以下なら何を買っても5%の税金がつかない。州政府としては税収を失うことになるのだが、経済活動促進政策でもある。3年前は9月から大学を始める息子のためにコンピューターを買ったのだが、今年はすっかり増えてしまった蔵書を納める本棚を買いにIKEAまで出掛けた。7月まで研究休暇だった夫が日本やオーストラリアから購入した書籍や、図書館で取ったコピーを沢山送って来たのだ。IKEAはおよそ90キロ離れたところにあるので、燃料費や時間を考えると必ずしも節約にはならないのだが、やっぱり踊らされてしまう。


ところで、最近の株式市場は怖い。米国はここ数年来所謂不動産バブルだった。私の住んでいる何てことない田舎でも家の値段が2倍から3倍になり、新築される家はサイズアップした豪邸になって行った。その理由の一つはインフレ防止のために公定歩合が押さえられていたことにある。利率が全体的に低いので住宅ローンの利率も低くなり、一般庶民はローンの組み替えを始めた。例えばこれまでは年利率8%だったのが5%になるのだから当然である。その上、家の査定価値が2倍になっている。その価値を抵当にしてローン額を増やし、差額をキャッシュで受け取り家の改造や車購入、大学の学費にあてるようになった。利率が低くなったのでローン額が増えても月々の支払い額は減っていったのである。庶民の購買力は増し、経済は活性化した。。。とここまでは健全な話。


ところが、ここにサブプライムローン(非優良客向けローン)が登場した。普通の固定利率のローンの条件を満たすことができない消費者に対し、最初の1,2年分は利率を押さえたローンが提供され始めたのだ。今年の頭ごろから「利率がどんどん上がり出し月々の支払いができなくなって、銀行に家を差し押さえられる人」が急に目立ちだした。


限られた収入なら、当然支払い額にも限度がある。家の値段がいつまでも上がり続ける筈はない。冷静に考えれば当然の公式なのだが、このサブプライムローンの貸付側の査定は限りなく甘く、無知な消費者に夢を売った。今差し押さえにあっている人の多くはローンの基本も理解していない低所得層に集中しているようだ。


さて、そのローンが債権として銀行間、金融組織間で売買され、ファンドの投資材料になっていった(つまり世界中の投資家が参画してしまったわけだ。)ところが今ローン自体の価値がどんどん下がり金融リスクを生み、金曜日には連邦銀行他がマーケットに大きく介入することになった。


あ〜、恐っ!!


だけどもっと怖いのはこのニュースをローカルのテレビがまともに扱っていないことなのだ。落盤事故とか殺人事件(もちろん報道すべきことなのだけれど)ばかり伝えていて、「株式市場がちょっと荒れたけれど最終的には落ち着いた」ぐらいしかレポートしていないのだ。アメリカよ、どこへ行く。