戸籍謄本

この日記は6/22のもの。

パスポートの申請や、就職、結婚の時に必要な戸籍謄本。この翻訳を良く頼まれる。ビザ申請他諸々の法的書類作成に必要なのだ。最大3ページ、文脈も何もあったものではないのだが、よっぽどのことがなければ引き受ける。フォーマットを作ってしまったので短時間で綺麗な書類が作れるのが嬉しいのと、名前の裏にある人々の生活を覗くのが楽しいのだ。


最近の戸籍はどこでもPC上で作成されるようになっているのだが、形体や文章が市や区によって似ているようで違う。人名や地名は難しいけれど、最近はインターネットがあるのですぐに調べられる。珍しい地名が出て来た時は新しい発見をしたようでドキドキする。今回は「北海道空知郡歌志内町(そらちぐんうたしないちょう)」という地名が生誕地として出て来た。ウィキペディアによると歌志内町は昔炭坑町として栄えたけれど、今はすっかり寂れてしまっていると記されている。今は東京を本籍としている依頼人の裏にどんな歴史やドラマがあったのだろうか。豊悦の出た映画「フラダンス」、TVドラマ「青春の門」、それに日本で読んだ「東京タワー」(リーリーフランキー)のせいもあるけれど、戸籍の裏に時代に流されていく人々の生活を感じる。役所の戸籍係の人々も私の感じるような発見や感動を体験しているのだろうか。


『緋文字』で有名な作家ナサニエルホーソンは米国のセーレムという町の税関官吏だった。一見つまらない事務仕事をしながらも彼もそういう発見を繰り返し、創作につなげていたのだろうか。そんな想像までしてしまう。


さて、今回の依頼は始めてのエージェントからだった。法的拘束の基になる書類なので公証人の署名と判が必要だと言われ、近所の銀行に出掛けて行った。私の前に車のローン申請をする顧客がいたので30分も待たなければならなかった。翻訳自体は短時間でできるけれど、朝の貴重な時間を無為に30分潰すのは腹立たしい。ここの仕事は多分もう引き受けないだろう。


午後は相変わらず車探しに出掛けた。夫がインターネットで走行距離が短くて1年しか使用されていないスバルアウトバックを見付けたのだ。「新しい中古」だと値段が安い上に、保証も2年ぐらいあるし保険も税金も安くなる。妥協していいかもしれない。


その後IKEAに寄って計画通り長男のためにキルトカバーを購入した。ところがレジの手前でかわいいペット用ベッドを見付けてしまい猫達のためにフラフラと買ってしまった、お互いに苦笑いしながら。


今夜は週末なのでメーン泊。